クールな先輩を恋の矢で射止めます



――パシュッ



―パアン



弓から放たれた矢は先にある的に音を立てて当たった。


 
「きれい……」



彼が弓を引くまでの一連の動作すべてがどうやって言葉に表したらいいか分からないくらい綺麗だった。



その瞬間、“この人に弓道を教えてもらいたい”って強く思ったんだ。



「誰?」



2人はあたしの声を聞いてこっちに振り返った。



「あっ!先週の」



本当に見に来てくれたんだね!と言いながらあたしの方に歩いてくる袴姿の人。



やっぱりこの声聞いたことあると思ったら、雪名先輩の後に来て謝ってきた人だ。



雪名先輩もその先輩の後からこっちに歩いてくるけど首を傾げている。



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