クールな先輩を恋の矢で射止めます
「入ります!そしてあたしに弓道を教えて下さい!!」
あたしはぺこりと二人に頭を下げた。
まさか雪名先輩に誘ってもらえるなんて……夢のようだ。
これで教えてもらえたらどんなに天国なんだろう。
「嫌だ、俺にはそんな暇を持て余す時間なんてないから」
……即答で拒否されてしまった。
それと同時に頭の中に描いていた雪名先輩に教えてもらうシチュエーションもどこかに吹っ飛ばされた。
「ったく、お前はなんでそうなんだよ!
少しは副部長らしいことしてみろよ」
山崎先輩はキッと雪名先輩を睨み付けた。
だけど、当の本人は何も言わずにまた中に戻っていってしまった。
そして彼はまた弓と矢を持って、弓を引く体勢をとっている。