クールな先輩を恋の矢で射止めます
山崎先輩の言葉に「はぁー」とため息を漏らした雪名先輩。
そしてしーんと静まり返った弓道場。
これから何を言われるのか分からなくてだんだんドキドキしてきた。
あたしはじっと雪名先輩を見ながら言葉を待ってみた。
よくよく間近でみると本当にかっこいいなって思う。
長身で、すらりと伸びた手足、漆黒の黒髪
整った顔立ちに、まっすぐな瞳。
彼はちょっと困ったふうに眉をひそめながらこう言った。
「弓道…今日見ててやりたくなったなら入れば」
―ドキッ
こんなぶっきらぼうな言い方なのに、あたしはこの言葉で弓道部に入ることを決めたんだ。