クールな先輩を恋の矢で射止めます



それから、あたしは弓道を教えてくれない先輩にどうして教えてくれないのかをない頭で考えた。



教えるのがめんどくさい?



その時間を自分の練習に当てたい?



あたしのこと嫌い?



「……最後のだけは困る」



後ろにいる春歌に聞かれないようにボソッと呟いた。



「花~!お弁当食べよ!」



「あー…うん!その前にあたし購買行ってくる!先食べててもいいよ!」



かばんの中から財布を取り出すと、春歌にそう言って教室を出た。



雪名先輩、どこでいつも食べてるんだろう?普通に教室かな?



購買に行くのに、頭の中は授業中の時と同様に雪名先輩のことだった。



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