社内恋愛発令中【完】
「やめてよ。あんな言葉嘘でも言える」



ドクン、と心臓が大きく脈を打つ。



頭が真っ白だ。



「もう、部長に近づけられないようにしてあげる」



遥さんがそう言うと、一台の車があたしたちの横に止まった。



中から数人の男が降り、そのままあたしを引っ張る。



「!?ちょっと、やめて!」



静かな夜にあたしの声が虚しく響き渡り、為す術もなく車の中へ連れ込まれてしまった。



「ほんとに大丈夫なんすか?」



あたしの口を押さえつける男の人が、遥さんに向かって不安げな目を向ける。



遥さんが妖しい笑みを浮かべ、小さく頷いた。



「好きなようにしていいよ」
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