社内恋愛発令中【完】
そういうことを言われ慣れていないのを知ってる蓮也さんは、照れるあたしを見て楽しんでいる。



分かってるのに顔が熱くなってしまうあたしは、相当免疫がない。



「こっち」



立ち尽くすあたしを、蓮也さんは自分の隣を叩いて座るように促す。



「あ、あたし、そっちに座…」



蓮也さんの向かい側の方に移動しようとしていたあたしの手を、蓮也さんがグイッと引っ張った。



「わっちょっ」



ストン、と蓮也さんの隣へ。



「ここ」



蓮也さんが動くな、という目をしてあたしを見る。



「だ、だって…」



(近いんだもん…)
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