幸せに・・・なりたい。

**愛浬亜の過去


「あら、あなた、知ってらしたの?」
と、お義母さん。
「ワシを誰だと。」
と、お義父さん。
「悪趣味、また、安西に調べさせたのね。」
と、言うと
お義父さんは、知らん顔をした。

「愛浬亜は、私の親友の子です。
優しくて、とても良い娘です。」
と、崇が言うと
「そうなの、優しくて
綺麗で、お花を活けるのが
素晴らしく上手いの。」
と、お義母さんが言った。

「今朝の娘だろ。
花が、生き生きしておる。」
と、言うから
お義母さんも崇も嬉しかった。

崇は、
「愛浬亜は、幼いときに
両親を強盗に殺されました。

両親は、愛浬亜を
隠し部屋に隠して
助けましたが
犯人が男性だったこともあり
老人と、小さな男性以外に
過剰に反応します。

近づかれると、意識を失います。
私にも、はじめはびくつきました。

息子には、今でもダメです。

でも、綾には、最初から
大丈夫だったんです。

綾は、時間が許す限り
愛浬亜に寄り添い
意識のない、愛浬亜に尽くして
くれました。

愛浬亜が、自殺未遂をしたときも
綾が、見つけ出し
生きていた事で、落胆していた
愛浬亜をここまでにしました。

おかげで愛浬亜は、
また、笑えるように
なりました。

綾は、主治医として寄り添い
夫として沢山愛情を
愛浬亜に注いでくれました。
その、お陰です。」
と、話すと

お義母さんは、涙を流し
おやじさんは、目を閉じて
何かを考え混んでいた。

その後も
愛浬亜は、相変わらず
毎日、お義父さんの病室で
花を活けてから
仕事に通っていた。

そんなある日‥‥‥

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