Last Letter~手紙がくれた想い~




俺が一応このバンドのリーダーを務めている。

バンド名はBlack Knife(ブラックナイフ)


由来は…特にない。

気づいたらそんな名前になっていた。


まあこの名前を考えたのは弘斗だから、

響きがいいとか、格好いいとかそんな理由だろうけど。


メインボーカルが雅輝

ギターが俺

ベースが弘斗

ドラムが俊


4人でBlack Knife

って、ワケだ。


みんな高校で知り合った。


そして高1の夏に結成。


それから毎年、学校祭のステージで俺たちは歌っている。

一応ある程度の人気はあるんだ、Black Knifeって。


で、もう学校祭間近。

最近は練習漬けの日々で悠香への返事が書けない。


「あのさ、学祭10日後なのに悪いんだけどこれ、2曲目に歌わないか?」

俺は鞄の中から楽譜を取り出す。


俺が作詞作曲した曲だ。


「大樹がやりたい、って言うなら俺らはやるよ。

な?お前らもそうだろ??」

と、弘斗が聞くと俊も雅輝も頷く。


「このバンドのリーダーはお前だし、
曲作ってくれるのもお前だし、
俺らは反対できる立場じゃない。

わざわざ俺らの意見聞かなくても
勝手に大樹が決めてくれればいんだよ。」


中指でずれたメガネをあげる雅輝。



「じゃ、これコピーしてあるから読んでみて」


俺は3人に楽譜を渡した。






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