太陽と月の後継者

全ての終結

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「クロエ様、クロエ様。」

優しい声が脳を刺激する。

愛しい人の声がクロエを呼んでいた。

「起きました?」

焦点の定まらない瞳は空を見つめる。

すると視界に彼が入った。

『レト』

一気に目が覚めたのか、
勢いよく体を起こしたクロエ。

『無事...だった。』

嬉しそうに彼に抱きつくと、彼も抱きしめ返した。

「言ったでしょう。

僕は死なないと。

僕は斬り付けられてもすぐに傷は治ります。

僕は不老不死の身ですから。」

その言葉にクロエは目を大きく開けた。

よく見ると、彼の瞳は隠されておらず、二色の瞳が彼女を見ている。

碧と紫の双眼

それは彼が彼女と同様に異質な存在だということを示していた。

「僕はレトの生まれ変わり。

そして太陽の騎士、月の神になる者です。」

クロエはその瞳に捕らわれたように目をそらさない。

そんな彼女の頬に手を添えて口付けた。

「クロエ…会いたかった。」

クロエは可愛らしく笑った。




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