悪魔の封印を解いちゃったので、クールな幼なじみと同居します!
「お前が青い光に触れただろ?そのせいでこいつの封印が完全に解けたんだよ。あの封印は力があるものが触ると解けるようになっていたから」

リドは眉間にシワを寄せた。

確かにリドが言うように、あたしは青い光に触れた。地面が光っていたから、気になって触った。だけど特別なことは何もしていない。触った、たったそれだけだ。

「え、さっきのあれ!?たったあれだけのことで解けちゃうの!?」

するとリドは「簡単なことじゃねぇよ」と付け加えた。

「佐奈は元から多少力があるし、俺と契約を結んでいて普通の人間より悪魔に近くなってる。魔の力が増えてんだ。だからあれだけのことで解けたんだろ」

あたしは自分の両手をぱっと開いて見た。変わらない手。この手に、この体に、悪魔の力が…。

「自分の手ばっか見てるんじゃねえ。あいつから目をそらすな。ほら、来るぞ!」

リドの強い言葉にはっと前を向く。

ファルはまた左手に青い光を集めている。

そして左手を振り上げると、今度はあたし達の方に向かって降り下ろした。

光がとても速い速度で飛んでくる。

「ちっ、あいつオレがここにいるの知ってるくせに何考えてんだ」

リドはあたしを後ろへ移動させると両手を前に出して何かを唱えた。

すると赤い光が手に集まってきて、まるでビームのように青い光に向かって飛んでいく。

赤い光が青い光にぶつかると強い衝撃が走った。白い煙が立ち込めて視界が悪くなる。

< 210 / 243 >

この作品をシェア

pagetop