悪魔の封印を解いちゃったので、クールな幼なじみと同居します!
はあ、と何回目かのため息を吐きながら家路に着く。

ええっと、今日の晩御飯はあたしだったんだっけ?何?何を作ればいいのさ?

イライラしてアキにメールを送ると『佐奈が失敗せずに作れるおいしいもの』と返ってきた。

あたしが料理が苦手なことを馬鹿にしているようなこのメールの文体がむかつく。

ついでにアキもむかつく。自分だってめちゃくちゃ料理がうまいってわけでもないくせに!

もうこうなったら晩ご飯は手抜きでもおいしいカレーにしてやる。明日の朝も、明日の晩ご飯もカレーにしてやる!

そう思いながら人参とジャガイモを買って家路に着いた。





「誰、あんた」


家に帰って開口一番、真っ先に出てきた言葉はそれだった。

買い物袋を思わず床に落としてしまうくらいには驚きを隠せていない。


普通に、昨日と同じように、「ただいまー」と玄関に入った。

すると玄関には人がいたけど、それはアキでも朔兄ではない男の子だった。

少しクセのある黒髪に、艶やかな瞳。

すらりとスタイルの良い体つき、きっと身長はアキと同じくらいだろう。

顔はとても整っていて綺麗で、妖艶な雰囲気を身に纏っている。

おそらく年はあたしやアキと変わらないだろう。

なのに、何なんだ、この色気。


誰だ、このイケメンは。



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