悪魔の封印を解いちゃったので、クールな幼なじみと同居します!
アキに手を引かれてどこへ連れていかれるかと思ったら、離れを出てしまった。

血を止めようと思ったのか、離れを出るとあたしの左の人差し指をぎゅっと強めに掴みながら歩き出した。

いや、つくりかけのご飯はどうするつもりですか!?

白ネギとかそのまま放置してきてしまったんですが!?

っていうか、どこに向かってんですか、晃さん!


「あのー、アキ?」


どこ行くつもりですか、と問いかけても何も答えない。

ただどこかを目指して歩いていた。


「あのー、救急箱持ってるならぜひとも手当てしてもらいんですが」

「うるさい」

「うるさい!?」


当然の権利を求めたつもりだったのに、あまりに酷い扱いを受けているあたし。

どこを目指しているのかさっぱり分からなかったけど、ようやくあたしにもアキが目指している場所が分かった。


「入って」


アキが連れてきてくれたのは、天宮神社の本殿だった。


「どうして、ここに」


場所は分かっていたけど、理由はさっぱり分からない。


「さあね」


アキはため息と一緒にそう短く答えた。


「自分でも分からない」


そっぽを向くアキの考えが読めなくて、アキ、と名前を呼ぼうとした時だった。


「手当て」


思い出したように、アキは大きな声を出した。

急に発せられた大きな声に、反応が遅れる。


「え?」

「怪我してるでしょ、手当てするから」

「あ、うん。お願いします」


手を出して、と言われて、言われるがままに手を差し出す。

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