悪魔の封印を解いちゃったので、クールな幼なじみと同居します!
「へえ。佐奈、ね」
あたしに睨みつけられているというのに、猫は嬉しそうな、満足そうな表情をした。
するとあたしを囲むように、魔法陣のような黒い何重かの円とその円の間にアルファベットかアラビア文字かさえも分からない不思議な文字が現れた。
もはや何が何だかさっぱり分からないけど、ただ一つ分かったのは、これは決して良いものではないということだけだった。
「なにこれ?!」
そう尋ねても猫は何も言わない。
「我との契約を望む者
その名を 佐奈。
その名をここに結び 契る
我とともにあれ」
猫はさらに分からない、とんちんかんなことを言う。
けれど猫が言い終わると黒い円と文字はその中心__あたしに集まって、ひとつになるとあたしの中にすうっと消えていった。
「ここに契約はなされた」
「何?さっきの……っていうか、早く朔兄を…」
「分かってる。契約は守るさ」
朔兄の方を見ると、朔兄から辛そうな表情はなくなっていた。
苦しそうだった息も落ち着いているが、その表情は暗かった。
「朔兄、良かった」
あたしが笑うと、朔兄は表情をさらに暗くした。
「ごめん、佐奈ちゃん…」
本当にごめん、と朔兄はさらに謝る言葉を続けた。
「朔兄…」
あたしにはどうして朔兄がこんなにまで謝るのか分からなかった。ただあたしは、朔兄に辛い顔をしてほしくないだけだったのに。
「ところで、あんたさ」
あたしは猫の方に向き直る。
あたしに睨みつけられているというのに、猫は嬉しそうな、満足そうな表情をした。
するとあたしを囲むように、魔法陣のような黒い何重かの円とその円の間にアルファベットかアラビア文字かさえも分からない不思議な文字が現れた。
もはや何が何だかさっぱり分からないけど、ただ一つ分かったのは、これは決して良いものではないということだけだった。
「なにこれ?!」
そう尋ねても猫は何も言わない。
「我との契約を望む者
その名を 佐奈。
その名をここに結び 契る
我とともにあれ」
猫はさらに分からない、とんちんかんなことを言う。
けれど猫が言い終わると黒い円と文字はその中心__あたしに集まって、ひとつになるとあたしの中にすうっと消えていった。
「ここに契約はなされた」
「何?さっきの……っていうか、早く朔兄を…」
「分かってる。契約は守るさ」
朔兄の方を見ると、朔兄から辛そうな表情はなくなっていた。
苦しそうだった息も落ち着いているが、その表情は暗かった。
「朔兄、良かった」
あたしが笑うと、朔兄は表情をさらに暗くした。
「ごめん、佐奈ちゃん…」
本当にごめん、と朔兄はさらに謝る言葉を続けた。
「朔兄…」
あたしにはどうして朔兄がこんなにまで謝るのか分からなかった。ただあたしは、朔兄に辛い顔をしてほしくないだけだったのに。
「ところで、あんたさ」
あたしは猫の方に向き直る。