Love Cocktail
ただ初めて入る厨房で、どこに何があるか解らない。
そこで、手伝いを買って出てくれたオーナーに見つけてもらう事になった。
カクテルを出来るだけ素早く作り、気ばかり焦っていた時。
「オーナー。カシスを補充して頂けますか?」
「カシス……カシス?」
オーナーはカチャカチャとボトルを探し、1本を手に持った。
「これか?」
「それはカンパリですからっ!」
手にしたマドラーを思わず投げたら、綺麗にオーナーの鼻先にヒットした。
……今しにて思えば、ここから厨房組との会話が消えたような気がする。
そしてその後、初めてオーナーと飲みに行き、この時初めてオーナーがお酒に弱いことを発見したんだ。
飲酒を扱ってるくせに、弱いというのはそれこそ驚いたけど……そんな所も可愛いなんて、そう思った。
それからよく飲みに行くようになって。
雪が降った夜……ちょっと呂律の怪しくなっているオーナーが、早苗さんって人が好きなことを愚痴り始めて、正直、人の気も知らないで話しているオーナーに少しだけムッとした。
……なので、飲ませまくった。
それからかな。今度はオーナーが、私を逆に酔い潰すとやっきになったのは……。
いや、私も『あれくらいで潰れるなんてだらしない』とか言ったかもしれないけど。
この頃から各店のヘルプに入るようになったし、その間にもいろんな事があった。
早苗さんにも会ったし、桐生氏にも会った。
早苗さんの友達のパワフル佳奈さんにも会った。
たくさんの出会いがあって……そして、今日の17時で、4年間の思い出に別れを告げようとしてる。
まずは、このホテルの一室に別れを告げてエレベーターに向かった。
フロントで鍵を返し、支払いをしていると、スタッフルームから支配人が出て来る。
「快適に過ごされましたでしょうか?」
優しくゆっくりと問われ、微笑みながら頷いた。
「ありがとうございます。ワインもとても美味しかったです!」
支配人もふわっと笑顔で、同時に頷いてくれる。
「一条氏から以前、吉岡さんは酒豪だとお聞きしておりましたから」
こんな所で、オーナーの名前を聞くとは思ってもみなかった。
「オーナーは、よく利用されるんですか?」
「いいえ。ですが、このホテルは元は一条グループの傘下でしたから……」
なるほど、そんな繋がりもあったんだ……。
考えて、ふっとバックの中の封筒を思い出した。
オーナーに返そうと思っていた洋服代。それを取り出してから、支配人を見る。
そこで、手伝いを買って出てくれたオーナーに見つけてもらう事になった。
カクテルを出来るだけ素早く作り、気ばかり焦っていた時。
「オーナー。カシスを補充して頂けますか?」
「カシス……カシス?」
オーナーはカチャカチャとボトルを探し、1本を手に持った。
「これか?」
「それはカンパリですからっ!」
手にしたマドラーを思わず投げたら、綺麗にオーナーの鼻先にヒットした。
……今しにて思えば、ここから厨房組との会話が消えたような気がする。
そしてその後、初めてオーナーと飲みに行き、この時初めてオーナーがお酒に弱いことを発見したんだ。
飲酒を扱ってるくせに、弱いというのはそれこそ驚いたけど……そんな所も可愛いなんて、そう思った。
それからよく飲みに行くようになって。
雪が降った夜……ちょっと呂律の怪しくなっているオーナーが、早苗さんって人が好きなことを愚痴り始めて、正直、人の気も知らないで話しているオーナーに少しだけムッとした。
……なので、飲ませまくった。
それからかな。今度はオーナーが、私を逆に酔い潰すとやっきになったのは……。
いや、私も『あれくらいで潰れるなんてだらしない』とか言ったかもしれないけど。
この頃から各店のヘルプに入るようになったし、その間にもいろんな事があった。
早苗さんにも会ったし、桐生氏にも会った。
早苗さんの友達のパワフル佳奈さんにも会った。
たくさんの出会いがあって……そして、今日の17時で、4年間の思い出に別れを告げようとしてる。
まずは、このホテルの一室に別れを告げてエレベーターに向かった。
フロントで鍵を返し、支払いをしていると、スタッフルームから支配人が出て来る。
「快適に過ごされましたでしょうか?」
優しくゆっくりと問われ、微笑みながら頷いた。
「ありがとうございます。ワインもとても美味しかったです!」
支配人もふわっと笑顔で、同時に頷いてくれる。
「一条氏から以前、吉岡さんは酒豪だとお聞きしておりましたから」
こんな所で、オーナーの名前を聞くとは思ってもみなかった。
「オーナーは、よく利用されるんですか?」
「いいえ。ですが、このホテルは元は一条グループの傘下でしたから……」
なるほど、そんな繋がりもあったんだ……。
考えて、ふっとバックの中の封筒を思い出した。
オーナーに返そうと思っていた洋服代。それを取り出してから、支配人を見る。