幻が視る固定未来
近距離戦
オレは玄武として生きている。
それは誰かに言われたとか固定未来だからとかではない。

結局自分らしく、玄武として生きているのが自分らしいし、他のみんなも玄武として生きていくと思っていたからなんの問題ない。

オレの助手なんて言わなくても分かるだろ?
助歌なんて言った奴がいれば殴りに行くぞ。もちろん愛しの有希乃の他にいない。

「恥ずかしい止めて」と有希乃がいたら言ってるだろうな。
けど本気でこの気持ちを伝えたなら、まぁ喜ぶというか照れてくれるだろうな。
最近はそうやって有希乃をからかっている。

話を戻すがオレは玄武として生きている。
だから特訓も前以上に過酷なものになっている。

有希乃との死闘。
本当に死闘だろうな。神素と神素のぶつかり合い。
互いに本気で能力を繰り出している。

オレの幻視の能力、それはほぼ完全に発動している。
成功率は低いが幻視の扉も発動したことがある。まぁ幻視の扉にいい思い出はいないんだけど。

――――――初めての幻視の扉を発動させて、舞い上がったオレは有希乃と戦った。
幻視の扉はいわば仮想世界でありオレの世界。
オレの意思をそのまま映す世界だ。しかも全ての幻は具現の力も持っている。

幻視の扉を発動できたということは一端の玄武になったということ。
つまりは守護四神の資格をやっと得たということでもある。

なら、そんなオレが有希乃と戦ったらどうなるか。守護四神のオレが隊長の娘である有希乃、圧倒的な戦力差であるのは言うまでもない。
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