幻が視る固定未来
天使の声、悪魔の声
――父さんの資料を見て三日。色々と試してみてまた資料を見に行く。

最近ではこのサイクルで生活している。精神的に不安定なのか、訳の分からない幻を見る。
けどそれは幻、惑わされることはない。見えるだけじゃないから困る。それは声まで聞こえる。

ムリだろとか諦めろは当然のこと、無能や無駄、時間の浪費など耳を傾けたらキリがない。
けどオレは思う。そんな幻聴まで聞いてしまうということは本心ではそんなことを思っているということ。
だから苛立つ。心底苛立つ。一生懸命努力しているのに罵倒してるのは他でもない自分ということ。

それでも苛立ちに耐えて続けてきた。けど限界は近い。
だから今日は限界をまた超える。下手したらこれが最後になるかもしれない。けどやるしかない。
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