幻が視る固定未来
以前にも木下には話したのだが、オレがトレーニングをする時は付いて来させないようにしている。
それはもちろんただのトレーニングではなく、それが人とは離れたことをしているから。
そうして長い廊下の先、雨音を聞きながらオレは助歌の待つトレーニングルームへと足を運んでいる。
「お待ちしていました」
トレーニングルームに入ってすぐ、中央で礼をして待っていたのは当然助歌。
この一人用の道場みたいな空間がオレのトレーニングルーム。聞いた話では、母上がエデンで父が使っていたトレーニングルームを真似して作ったらしい。
ここだけ作りが特別なのか、さっきまで聞こえていた雨音もこの部屋に入ってからは何も聞こえない。恐らく防音素材の壁と屋根なのだろう。
「この前のこと母上には報告したのか」
「この前のことと申しますと?」
「木下がオレのことを名前で呼んでいることだ。多分もう話したんだろ」
「もちろん報告は致しましたが奥様は幻視様と木下について好きにさせるようです。なので奥様はもちろんのこと私も何も言いません」
なるほど、母上は一応認めてくれたってことか。だったら木下の文句を言う奴は誰もいないな。
「そうか、だったらいつものトレーニングを始めよう」
「かしこまりました」
オレは話をさっさと切り上げて助歌が元居た中央を陣取る。その助歌はオレが中央に来ると同時に後退した。
それはもちろんただのトレーニングではなく、それが人とは離れたことをしているから。
そうして長い廊下の先、雨音を聞きながらオレは助歌の待つトレーニングルームへと足を運んでいる。
「お待ちしていました」
トレーニングルームに入ってすぐ、中央で礼をして待っていたのは当然助歌。
この一人用の道場みたいな空間がオレのトレーニングルーム。聞いた話では、母上がエデンで父が使っていたトレーニングルームを真似して作ったらしい。
ここだけ作りが特別なのか、さっきまで聞こえていた雨音もこの部屋に入ってからは何も聞こえない。恐らく防音素材の壁と屋根なのだろう。
「この前のこと母上には報告したのか」
「この前のことと申しますと?」
「木下がオレのことを名前で呼んでいることだ。多分もう話したんだろ」
「もちろん報告は致しましたが奥様は幻視様と木下について好きにさせるようです。なので奥様はもちろんのこと私も何も言いません」
なるほど、母上は一応認めてくれたってことか。だったら木下の文句を言う奴は誰もいないな。
「そうか、だったらいつものトレーニングを始めよう」
「かしこまりました」
オレは話をさっさと切り上げて助歌が元居た中央を陣取る。その助歌はオレが中央に来ると同時に後退した。