幻が視る固定未来
趣味探しの道
――学校の廊下、人気のないこの廊下に、昼休みに来て欲しい呼び出された。オレを呼んだのはあまり話したこともない隣のクラスの女子生徒。一応この学校内の人間はそれなりに把握している。
けど、どう考えてもこれはただの呼び出しじゃないだろうな。いわゆる告白じゃないだろうか? でも相手に好意を持たれるほど親しい訳ではないんだが……。

そんな疑問の中、噂の女子生徒は現れた。すでに顔は赤く緊張していると一瞬で分かる。
きっとここに来るまで色々な言葉を考えただろうに、今となっては頭の中が真っ白らしくどうやって話を切り出せばいいのか分からないようだ。
仕方がなくオレは聞くことにした。

「どうしてオレを呼んだ?」
「……えと、」

まだ何を切り出せないのか、まともに顔すら合わせられない。オレの知ってる限り、この女子生徒は余裕を持っているのが印象的だったのだが……間違っていたか。
そんな感想の中、やっと小声で基地出した言葉。

「……き、です」

オレは何も言わずに待つ。きっと言えるだろうから。

「好き、です。付き合って下さい!」

なるほど、これが告白か。相手からすればさぞかし緊張したのだろうな。
けど残念だ。オレに告白なんて無意味だ。答えは決まっている。

「悪いけど付き合えない」
「そう、ですか。そうですよね……すいませんでした!」

赤から一気に青ざめる顔。
その瞳にはうっすらと涙が溜まっていた。けど流れる前に走り去り廊下にはオレだけが残される。
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