恋の罠にはまりました~俺様部長と社内恋愛!?~
「……あー、そうですか。がんばれー」
何の感情も込めずに適当に返事をすると、私はさっさとその場を離れることにした。
たしかに顔や体つきはご立派だったけど、あんな無愛想な人のどこがいいんだろう?
優しくて人当たりの良い、佐伯くんの方が素敵なのに。
なんていうワガママ。自分のことを好きな人は山ほどいるのに、そうじゃない人が好きだなんて。
ムカムカしながら人事部のドアを開いたところで、はっとひらめいた。
私が日下部長を振り向かせたら、知美はどんな顔をするだろう──。
「は、ははっ」
誰もいないオフィスで、一人で苦笑した。
私が、あの無愛想で、だけど女性にモテそうな要素満載の御曹司を落とすですって?
そんなの、無理に決まってる。
私は私の、身の丈にあった人を探そう……。
とぼとぼとデスクに戻り、お弁当を広げる。
いつも自分で作るお弁当の具は見覚えのあるものばかりで、何の感動もなかった。