恋の罠にはまりました~俺様部長と社内恋愛!?~
「私だって綺麗になって、素敵な彼氏見つけてやろっと。姫香がお嫁に行っちゃったら、話し相手もいない。こんなつまらない家でただ汚くなって死んでいくのなんて、ごめんだからねっ! ああ、姫香が羨ましい……っ」
お母さんは涙声で、サンプルを両手で抱え、どたどたと居間を出ていってしまった。
「既婚者のくせに……いい歳して何を言っているんだか。お前はあんなおばさんになるなよ」
ごほんと咳ばらいをしてそう言う父は、とても気まずそうな顔をしていた。
「あんな可哀想なおばさんにしたのは誰よ」
今思えば、母はずっと我慢していたんだろう。
辛いパートに、家事に子育て。
私に自信を持たせるような言葉をかけてくれなかったのは、母自身が心の余裕と自信がなかったからだろう。
「仲直りしてよね」
私はそれだけ言うと、一成のプレゼントを抱いて階段を上がった。
私は、幸せになるんだ。
真剣に願えば、一成がその願いを叶えてくれると言った。
どうか、彼の気持ちがこの先も変わりませんように。
不可能かもしれないけど……私も、今以上に努力するから。
私はまた、運命の神様に祈った。