恋の罠にはまりました~俺様部長と社内恋愛!?~
それもそうか。せっかくだし日下部長の厚意に甘えて、今は片付けに集中しよう。
一緒にイスを片付け、空になった会議場をほうきで掃除する。
浮かんできた額の汗をぬぐって、遅ればせながら気づいた。
もしかしてさっき、部長は私たちを庇ってくれたのか……?
“そういう言い方は良くない”って、具体的に何がどういけないかは指摘しなかったけど、あれは私や田村くんを庇ってくれたのかも。
ちょ、今更気づく私もどうなの。そして、わかりにくい。顔に出ないから、すごくわかりにくいよ、日下部長。
いつのまにか上着を脱ぎ、シャツの袖をまくって作業する日下部長が、ゴミ袋をまとめて床に置いた。
「もうこっちはお前に任せて大丈夫か?」
部長は田村くんに聞く。
「あ、はい」
「よし、頼んだ。じゃあちょんまげ、行くぞ」
「はい?」
行くってどこへ?
ぽかんと見上げると、日下部長はメガネの奥の目を呆れたように細め、私を見下ろす。
「会社に運ぶものがあるだろ。車で来てるから、乗せていってやるよ」