恋の罠にはまりました~俺様部長と社内恋愛!?~


そう言われてはっとした。

プロジェクターやマイクはホールに借りたものだから、このまま返却するだけで良い。

そうでない会社のパソコンや今日集めたアンケート用紙は、重いし若干の個人情報が含まれるから、今日中に会社に運べた方がそりゃあありがたいけど……。


「さっさとしろ。嫌ならば嫌だと、はっきり言ったらどうだ」


きらりと、日下部長のメガネが光った。

ひいぃ、その図体で威圧されると怖いからやめて!


「嫌だなんてとんでもないです! ありがたく乗せていただきます!」


断れるはずもなく、私はマッハで帰り支度をした。

日下部長がアンケート用紙が入った紙袋を、ひったくるようにして持っていく。


「田村くん、あとはホールの人に声をかけるだけだから。何かあったら連絡してね。よろしく」

「あ……はい」


日下部長は早足で歩き、会場をあとにする。

私は小走りでそれについていくのが精一杯だった。


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