嫌い、のち好き、のち愛
「雨沢さん、おはよう」
大翔がそう言うのを聞いてピクリと身体が反応した。
「おはようございます、一ノ瀬さん」
大翔だけに挨拶して、通りすぎようとするその女の腕を掴む。
女……雨沢真咲は眉ひとつ動かさず俺を見た。
真っ白な肌、真っ黒な長い黒髪を一つに束ねている。目も大きくてまつ毛が長い。
血色のいい、赤い唇が妙に色っぽい、と俺は思う。
なんだけど、なんだか気品があって、巫女さんみたいな雰囲気だな、といつも思う。
神秘的で、いつも神聖な空気をまとってるようなそんな女だ。
こいつが乱れてるところを見てみたいと、少し思う。
「俺にはおはようないの?真咲ちゃん」
「ああ、村上さん。いたんですね、気付きませんでした」
嘘つけ、気付いてたくせに。