嫌い、のち好き、のち愛
「事務の女の子全員と寝たって噂ありますけど、今度は雨沢さん狙ってんですか?」
は? そんな噂あんの?
「寝てねーし」
思わずそう答えると大翔が驚いた顔で俺を見る。
「マジっすか。俺、ほんとだと思ってた」
おいおい、こいつほんとに俺のことなんだと思ってんだ。
ま、俺も噂の出所に心当たりがないわけではないからあれだけど。
「会社の女になんか手、出すかよ。めんどくせぇ」
本気ならまだしも、遊びならめんどくさいことこのうえないだろ、職場の女なんて。
「じゃあ、雨沢さんは?最近、よく絡んでますよね?」
大翔に聞かれて、一瞬言葉に詰まって、つい本音がもれた。