窓ぎわの晴太くん
ののちゃん、自分を見失わないで

   里子の憂鬱




木曜日が過ぎ、金曜日が終わろうとしていた。
里子の携帯に晴太からのメールは未だに届かない。

里子は高校の時に片思いの男の子がいた。
その男の子には可愛い彼女がいたため里子の初恋は究極の片思いだった。

毎日、そっと彼の事を見つめるだけの日々。
もし彼が私の彼氏になったらなんて妄想するだけで胸がときめき涙が出た。

でも、今はあの頃より辛いのはなんでだろう・・・
たったの二日メールが来ないだけなのに、食欲もわかないし仕事にも集中できない。

私は本気で晴太さんに恋をしてしまっている。
本気で恋をしてしまっているという事は、本気で晴太さんの彼女になりたい。

晴太さん、どこにいるの?



里子はいつもと変わらない週末を迎えた。
溜めていた洗濯物を外のベランダに干し太陽の光をたくさん浴びせる。
料理好きな里子は一週間分の買い出しにスーパーへ行く。

一人暮らしを始めて2年が過ぎようとしていた里子にとって、毎日平凡に暮らす日々がささやかな幸せだと思っていた。


土曜日も携帯は必ずポケットの中・・・
映画を観ても本屋で立ち読みしてもポケットの中の携帯だけが気になってしまう。

晴太の存在が大きすぎて、もう里子の幸せな日常は今はここにはなかった。

















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