窓ぎわの晴太くん



月曜日の朝、西川は里子の変化に気付いていた。

女は恋をすると綺麗になる。
最近の里子はエクステや髪形を変えたせいもあり明らかに綺麗になっている。

でも、今日の里子は少し違っていた。

この週末に晴太と何かがあったに違いない。
キスをしたか、最後までいったか・・・

おばちゃんの勘は確実に当たる。
そういうことを経てきたし、そういう女性をたくさん見てきたから。


西川は里子にばれないように晴太と話をしたいと思っていた。
できれば早く、できれば今日にでも・・・

西川は晴太の素性を知りたかった。
晴太が何をしている人間なのか、ここにいる人達は本当の事は何も知らない。
見た目や憶測で晴太を判断してしまっている。

西川達が思っているような本当に悪い人間なのか?

晴太と目を見て話ができれば、西川は真実を得ることができると確信していた。
50年以上育んできてきた女の勘は、そう簡単に外れることはない。








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