窓ぎわの晴太くん



里子は今日もお弁当を作ってきた。
西川と広瀬ともちろん晴太と。


「西川さん、はい、どうぞ」


里子は西川を見つけるとお弁当を持って西川の元へ駆けよった。


「え? 
里子ちゃん、今日も作ってきてくれたの?
そんな無理しないでいいのよ~」



「ううん、いいんです。
料理をするのは大好きだし、喜んでくれれば私も嬉しいですし。

あ、それと、先週の水曜日はすみませんでした。
西川さんからの手紙ちゃんと読みました。

心配していただいて本当にありがとうございます」


里子は肩をすくめて西川に頭を下げた。


「それで?」



「え??」



「それで、ちゃんと自分を見失わないでいれてるの?」



「あ、はい・・・
でも、うん? 大丈夫かな・・・」


西川はそんな里子を見て、自分の勘は確実に当たっていると少し凹んでしまった。


「あ・・・」


晴太を見つけた里子の恥ずかしそうなはにかんだ顔を、西川は苦笑いを浮かべ見ていた。


里子は晴太に溺れている。
私の手に負えるかしら・・・








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