たすけて、みひろん!



…去り際の吉野さんの目、紅かったような気がしたけど…、気のせいだよね。


いつも通り、少しの悪口と冷たい視線を向けられながら過ごす。

静川さんは昨日逃げ帰ったことをやっぱり怒っていたけど、みんなの前だから足を蹴るか肩を掴むか首を絞めるだけ。

集団リンチよりはマシだ。


土曜日になって、朝起きて両親と幼い妹に挨拶をしてご飯を食べる。

お母さん、と言っても血は繋がっていない。

つまり、幼い妹とも血が繋がっていない。

お父さんとは繋がってるみたいなんだけど、まあ、そんなこと関係ない。

第一私は幼い頃、小学校2年生より前のことをよく覚えてなくて、実母との思い出も薄い。

それ加えて今のお母さんが良い人で、私を本当の娘のように扱ってくれてたから、血が繋がってるとかどうとか、あまり気にならない。


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