たすけて、みひろん!



私の高校につくと、荷物をおろすのを手伝ってくれた。

妹の莉乃は、元気に手を振りながら少し会えないだけなのに悲しんでくれた。


学校で野外活動の注意事項や軽い日程の確認をしたあと、クラスごとにバスに乗り込む。

2時間の辛抱だと言い聞かせながら、席に座ると、

「美乃ちゃん、隣だよ〜、よろしくね!」

そう言いながら私の隣に座ってきたのは静川さんとは正反対の、吉野さんだった。


「え、吉野さん?あれ、隣、違っ…」

そこまで言いかけた時、吉野さんはいきなり私の口を抑えて、人差し指を唇に当ててしーっとやってみせた。

そうしてえへへと可愛らしく笑う。

「あのね、静川さんを説得して変わってもらったの」

先生には内緒とコソッと耳打ちをしてきた吉野さんは、リュックを開けてお菓子を取り出す。


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