染色の恋心
衣緒はとてもにこにこしていた。でも普通の笑みじゃないように見える。
どっちかというと、照れてる。

「どうしたの?」

私は衣緒に尋ねる。

「んーなんかさ、紫藤くんって知ってる?」

「紫藤?知ってるよ。でも話したことないし、よく知らないかな」

「なんかね、昨日いきなりメール来てよろしくってきたの!」
衣緒は嬉しそうに私に話していた。

もともと私は恋愛なんてした事ないし、多少憧れはあるけど、なかなか縁がない。

こうやって親友が嬉しそうにしてるだけで、私は十分だった。

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