お見合い結婚~イケメン社長と婚前同居、始めます~
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「ただいま」
帰りたくないと思っていた藤丸さんと暮らすマンションに帰った頃には、21時を廻っていた。
私が玄関で靴を脱いでいると、リビングからバタバタと足音が聞こえてくる。
「琴理ちゃん!!」
「あの、ごめん…」
心配かけてごめんなさいって、謝ろうとしたのに。
藤丸さんが私に近寄ると、強く抱きしめたから言葉が続かなかった。
息が止まるかと思った。
芳香なムスクの香りがする藤丸さんの胸の中。藤丸さんの暖かさが伝わってきて、思わず私は軽く藤丸さんの背中に手を回す。