お見合い結婚~イケメン社長と婚前同居、始めます~
間接照明が穏やかな灯りを照らしている寝室に、衣ずれと私の啼き声が響き渡る。


もう幾度となく渉さんの名前を呼び続け、その度に意識を手放した。

渉さんは私を愛おしく見つめ、私の隅々にまでキスを施していく。

心地よい高揚感と疲労感を感じ、ベッドと一体化したかのような気分で横になっている私に、渉さんは啄むようなキスを落とし、優しく微笑んだ。


「次の休み、一緒に指輪を選びに行こう」

私の髪を優しく撫でながら、そう呟いた渉さんに私は小さく頷いた。

いつの間にか溢れていた涙は、頬を通る寸前で渉さんの冷たい指先にすくわれた。


< 289 / 291 >

この作品をシェア

pagetop