その男、猛獣につき

しげちゃん先生は既に興梠先生との面談は終えたようで、私を向かい合った席に座るように促す。



私が、促された席に着席すると、しげちゃん先生はニコニコと笑いながら、手元のファイルを開きながら口を開いた。

 

「まぁ、知識や技術の方は、まだまだ不十分…というか課題がかなり残っているみたいだな」

 

そうだよね。

先週から毎日のように先生に21時頃まで残って指導してもらっているんだもん。

そういう評価は仕方ない。

 

そう思っても、やっぱり落ち込んでしまって、ついため息が出てしまう。

 

しげちゃん先生は、まぁ、まぁ、なんて慰めの声掛けをしてくれながら言葉を続ける。


「それでも、実習に対する態度や取り組む姿勢、やる気、患者さんへの思いやり、レポートの提出状況も問題ない。むしろ、あの《冷徹の興梠》がほめるなんてな」

そう言いながらしげちゃん先生も満足そうに頷いている。

 



しげちゃん先生の言葉にこれまで落ち込んでいた私も一気にテンションが上昇してくるのがわかる。
 
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