その男、猛獣につき

「部長からの公認も降りましたので、どうか二次会は勘弁して頂きたい。俺は舞花と過ごしたいので」

 

堂々とした主税さんの宣言に私の顔を真っ赤に染まっていくのを感じる。

 

 

竹内さんと嶋本さんは、乙女のようにキャーキャー叫び、盛り上がっていた。

 

 

★☆★

 

部長の一本締めがその場に響き渡ると、挨拶もそこそこに私は先生に手をひかれ、タクシーに押し込められる。

 

 

「やっと実習も終わったな」

 

タクシーに行先を告げ、発した先生の言葉はやっぱり柔らかい。

 

 

明日、明後日の土日の二日間で私は8週間寝泊りをしたADL室を片付ければ本当にここでの実習は終了となる。

 

やっと終わったという安堵感と達成感とは別に、寂しさが沸々と沸いてくる。

 

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