どうすればいいのかわかりません!
「お前の妄想や形容詞はどーでもいいから、どこに惹かれたわけ?」
「全部です」
それは、乙女が一度は言われてみたい言葉だよね。
超イケメンに、ある日突然に告白されて“君の全てが好きなんだ!”とかさ。
現実世界でそんなことを言われるはずがないって思ってたけど。
でも、何故か私の乙女モードは全開にならない。
それどころか、うっすら寒くて凍えそう。
どうしようか悩んでいたら、美保が小声で呟いた。
「逃げよう……」
全面的に賛成する。
手に手を取って、美保と走り出すタイミングを見計らい、立ち上がった戸倉さんに工藤さんが視線を移したその隙に……。
めちゃくちゃ全力疾走で、駅に向かった。
駅のホームにつくと、私たちはゼエゼエ息を切らしながら傘を閉じ、それから顔を見合わせる。
しばらく見つめ合い、それからお互い同時に吹き出した。
「梨理。モテモテじゃん」
「モテモテじゃないよ。怖かったよ」
「うん。危ない人だったねー」
「私は普通の恋愛がしたいよー」
そんな風に言いながら、ホームに入ってきた電車に飛び乗った。
男女の出会いは普通でいい。
そう思いながら……。
そして数日後……。
『お友達から始めましょう』
見知らぬ番号からの留守番電話に、眉をひそめて、それからうなだれた。
そういえば私、連絡先を教えてしまったんだよね。
口頭で伝えただけなのに、工藤さんて記憶力もすごいんだな。
さて、どうするべきか。
つくづく悩んでしまいそう。
2016/3/18
「全部です」
それは、乙女が一度は言われてみたい言葉だよね。
超イケメンに、ある日突然に告白されて“君の全てが好きなんだ!”とかさ。
現実世界でそんなことを言われるはずがないって思ってたけど。
でも、何故か私の乙女モードは全開にならない。
それどころか、うっすら寒くて凍えそう。
どうしようか悩んでいたら、美保が小声で呟いた。
「逃げよう……」
全面的に賛成する。
手に手を取って、美保と走り出すタイミングを見計らい、立ち上がった戸倉さんに工藤さんが視線を移したその隙に……。
めちゃくちゃ全力疾走で、駅に向かった。
駅のホームにつくと、私たちはゼエゼエ息を切らしながら傘を閉じ、それから顔を見合わせる。
しばらく見つめ合い、それからお互い同時に吹き出した。
「梨理。モテモテじゃん」
「モテモテじゃないよ。怖かったよ」
「うん。危ない人だったねー」
「私は普通の恋愛がしたいよー」
そんな風に言いながら、ホームに入ってきた電車に飛び乗った。
男女の出会いは普通でいい。
そう思いながら……。
そして数日後……。
『お友達から始めましょう』
見知らぬ番号からの留守番電話に、眉をひそめて、それからうなだれた。
そういえば私、連絡先を教えてしまったんだよね。
口頭で伝えただけなのに、工藤さんて記憶力もすごいんだな。
さて、どうするべきか。
つくづく悩んでしまいそう。
2016/3/18


