水男(ミズオ)
馬鹿だ。
こいつは本当に馬鹿だ。


僕に食べられる前に
体に塩でも塗り込んでおけ。



そうだ。


首を絞めて殺した後に
良い香りをつけるため


こいつをフランベしてやろう。


切り刻んだこの馬鹿を
フライパンに入れて


強火で一気に焼き上げ


最後にブランデーを一滴。
燃え盛る青い炎。


まさに至福のひと時。


俊介は酔いが回った亜美を見て
妄想が暴走している。


顔は笑顔。


俊介の顔は依然
優しい笑顔だが


心の中は
狂った感情が渦巻いている。


亜美はもう少しで
俊介の汚物のような感情の渦に


飲み込まれようとしている。


レストランの壁にかけらえた
時計の秒針が


規則正しく時を刻んでいる。


秒針が動くたびに
亜美の人生のカウントダウンが


一秒


また一秒と


進んでいく。



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