水男(ミズオ)
小学生がそう言って去っていくと
公園に残されたコーラの空き缶が


乾いた音を立てながら


ころころと転がって
動かなくなった男の顔に当たって止まった。


缶の口からコーラが一滴ポトリと落ちて
男の顔をぬらりと流れていく。



夏の日差し。
セミの鳴き声。


そしてこの公園には
また誰もいなくなった。

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