涙のむこうで、君と永遠の恋をする。
「あたし……死ななきゃ……」
「ほのかちゃん……?」
まるで、夢の中にいるかのような、ぼんやりとした頭と、酷い耳鳴り。
誰かが、近くにいるのが分かるのに、あたしの視界はまるで真っ暗なのだ。
ただ、『死ななきゃいけない』その考えだけがあたしを支配する。
「しっかりして、ほのかちゃん!!」
肩を掴まれた途端、あたしはそれを振り払おうと声をかけてきた誰かを突き飛ばす。
「死ななきゃっ!!あたしっ!!」
「なに言って…落ち着いて!!」
誰かは、あたしを強く抱き締め、暴れないように押さえ込む。
「離してっ……あたし、死ななきゃっ!!」
「ほのかちゃん、お願い!!俺を見て!!」
あたしは、両頬を掴まれる。
「俺の声、聞いて!!」
「こ…え……」
声……?
さっきから聞こえる声は、誰のだっけ。
ずっと前から知ってる……。
「な……ぎ…さく……ん……」
……渚くん。
あぁ、そうだ、渚くんの声だ。
それが分かった途端、視界が一気に晴れる。
「良かった、やっと目が合った……」
渚くんの、ホッとしたような顔が目の前にある。
あたしは、渚くんの顔を見た途端、ブワッと泣き出してしまった。