涙のむこうで、君と永遠の恋をする。


「由子さんのお友だちだよ」


あたしは、笑みを浮かべた。


お母さんの為についた嘘が、ナイフになってあたしの心に突き刺さっても、笑みを浮かべる。

何度も、嘘を囁き続ける。



「そう…なら、話を聞いていってね」


お母さんの望む世界の話を聞くのが、あたしへの罪と罰。


「由子さん、今幸せ?」

「えぇ、お父さんが傍にいてくれる」


それを聞きながら、あたしはいつも、ポロポロと涙を流す。


「ほのかちゃん………」


渚くんが、そんなあたしを見ているのに気づいた。


だけど、今はなにも話せない。


だから、お願いなにも言わないで、でなきゃ、今すぐにでも泣き出してしまいそうだから。



















< 71 / 233 >

この作品をシェア

pagetop