日野雄大はクラスで一番性格が悪い
怖くて。
どきどきして。
もう何がなんだか分からなくて。
その一言を言ってからは、うまく思考が働かなかったけれど。
……気が付いたときには私は、ベンチから立ち上がった日野雄大に力強く抱き寄せられていた。
「……やばいって」
私が何か言葉を発するより前に、日野雄大がそう言ってまた更に私を抱き締める。
日野雄大の温もりに、その声に、胸がどきどきする。
「日野ちゃんやばい。可愛すぎ。……俺、頭おかしくなりそう」
そう言った日野雄大の胸から感じる鼓動は私以上に激しくて。
私は更に愛しくなる。
「……日野雄大」
「何」
「あんた今日から彼氏に昇格ね。彼氏兼奴隷」
「一応奴隷なんだな」
日野雄大は私を抱き締めたままクスクス笑う。
「当たり前でしょ文句あんの?」
「無いです」
相合い傘をして帰った日、私はクラスで一番日野雄大が嫌いだった。
ねぇ、こんな日が来るなんて思わなかったね。
クラスで一番嫌いだったやつを、世界で一番好きになってしまう日が来るなんて。