日野雄大はクラスで一番性格が悪い
……日野ちゃんのお父さんと颯太さんが亡くなったのは、たしか十年程前のことだ。
そして俺の父親が亡くなったのも、それ程前のことだったような気がする。
つまり同じ年の同じ日に亡くなったかもしれない。日野ちゃんの父親と俺の父親は。
いやだからって、まさかそんな。
──そんなはずは、ない。
でももしそうだったら、お母さんがお父さんの死んだ理由を話したがらないのも頷ける。
「日野雄大?顔色悪いよ。どうかした?」
日野ちゃんが心配そうに俺の顔を覗き込んでいる。
なんでもないよ。平気だよ。
……言いながらも、俺の背中には冬だというのに嫌な汗が伝っていた。
そんなことが、起こるはずがない。
大丈夫だ。
──言い聞かせたとき、玄関の扉が開く音がして。
「あっ、お母さん帰ってきたんじゃない!?」
日野ちゃんはさっと俺の脚の間から出て、部屋の扉を開けて、ベッドに座ったままの俺に、行こう、と手招いている。