あの日、君と見た青空を僕は忘れない

「…大翔くん」


「ん?」


「…屋上」


「え?」


「学校の屋上。…行きたい」


屋上…。



「そっか。うん。…わかった。屋上行こう。一緒に」



──────


そして、俺は、主治医の先生や幸の両親に、学校の屋上に幸を連れて行けるか提案した。


「お願いします!」

「…いつ病状が急変するのかわからないので…」

と頭を抱える主治医。

「…お願いします!幸からのお願いなんです!」


「先生、私たちからもお願いします。幸のやりたいこと。全部させてやりたいんです!」

「お願いします!」

幸の両親もそう言ってくれた。


「ご家族からの願いならね。許可しますよ」


「ありがとうございます!」
「ありがとうございます!」
「ありがとうございます!」


「では、もしもの場合に備えて…」



幸。


一緒に行けるよ。


もう一度。



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