たとえ声にならなくても、君への想いを叫ぶ。
友達でもなく、クラスメイトでもなく、良く言っても“知り合い”程度の関係。
朝の電車では顔を合わせることはあっても、それも明確な約束を交わしたわけではない。
偶然でもない限り、図書館で会うこともなかった。
二人でどこかへ出掛けたこともないし、それどころか電話もLINEもメールのやり取りもしたことがないに等しい。
(……先輩と、私は)
どちらかが会わないと決めたら、こんなにも呆気無く終わってしまう関係だったのだ。