たとえ声にならなくても、君への想いを叫ぶ。
 


「こうやって、手、繋いでれば迷子にもならないでしょ?」


「……っ、」


「迷子になんて、絶対、しないけど」



そう言うと、一瞬だけ笑みを零した先輩は、何故か私に背を向ける。


突然向けられた背中につい戸惑って、慌てて先輩の隣に並べば、そんな私を先輩は視線だけで制した。



「……自分で言っといて、なんだけど」


「……?」


「俺も結構、照れる」


「……っ、」



言いながら、フイ、と、前を向いた先輩の耳が赤く染まる。


それに全ての意味を漸く理解した私も再び顔を赤くすれば、先輩はもう何も言わずに私の手を引き、改札へと歩き出した。



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 『Pink(ナデシコ)』

 純粋な愛・思慕

 
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