たとえ声にならなくても、君への想いを叫ぶ。
 


蓮司に見せられたツイートを震える指先でスクロールすれば、その下にはズラリと様々な声が並んでいた。



【え、何これ私もこんなこと言われたい!】

【やたらカッコイイリプきたwww】

【なになに、突然王子様的な奴が出現?】

【そういえば、このアカウントの犯人捕まったらしいぜ】

【捕まえた奴、かなりのイケメンって噂】

【捕まった奴、かなりの痛いヤツって噂】

【っていうか、どうでもいいけどリツイート数ヤバw】



それは、ごく一部の声。

中にはもちろん中傷的なツイートもあったけれど、圧倒的大多数がこのツイートを擁護する声で。



「……それがツイートされたのって、相馬先輩の停学が明けて、栞が先輩に会いに行った日でさ」


「っ、」


「本当にそうかなんて……多分、本人に聞いたとしても教えてくれるわけないけど、でも……きっと、相馬先輩だと俺は思う」



そう言った蓮司の声は凛と澄んでいて、思わず携帯に落としていた視線を上げた。


そうすれば、私を真っ直ぐに見つめる蓮司の、真摯な目と目が合って。


それを合図に、再び、涙の雫が頬を伝って零れ落ちる。


 
< 409 / 475 >

この作品をシェア

pagetop