たとえ声にならなくても、君への想いを叫ぶ。
* * *
「……隣、いい?」
答えを聞くより先に椅子を引いた先輩に、私はコクコクと必死に頷いた。
最寄駅にある、図書館。
テスト期間が迫ると図書館で勉強をしてから家に帰る、というのは中学生の時からの習慣だった。
だから今日も、私は一人で図書館に足を運び、教科書とノートを広げていたのだけれど……
ふと、視線を感じて顔を上げた先。
そこにいた思いもよらぬ人物に、私の心臓は大きく跳ね上がった。