四百年の誓い
 優雅と出会ってから、美月姫の全ては変わってしまった。


 どんなに頑張っても、かなわない相手。


 それを悟ったからかどうかは不明だが、美月姫の優雅に対する感情は変化した。


 気づけば恋に落ちていた。


 生まれて初めて出会った、甘えることのできる、全てを委ねることのできる人。


 遠い昔から捜し求めていた、運命の人と言ってもいいような人……。


 「ただ、手放したくなかっただけ」


 「何を?」


 「優雅くんを」


 その答えに感謝するかのように、優雅はまた美月姫を強く抱いた。


 「俺もだよ」


 この世の果てまで離さないということを、行動で示すかのごとく。
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