四百年の誓い
 「あ!」


 会話が途切れ、しばらく沈黙が続いた後。


 優雅が伸ばした手が頬に触れ、美月姫はびくっとした。


 「ごめん。髪に花びらがついていたから」


 優雅は美月姫の髪に紛れ込んでいた桜の花びらを一枚、そっと手に取った。


 その後も止む事なく、降り注ぐ花びら。


 埃を払うように払い落としてしまうのは、何だかもったいない気がして。


 「そのままでいい」


 払おうとする優雅の手を止めた時。


 どちらからともなく距離を詰め、身を寄せ合った。


 そのまま肩を抱き寄せられた。


 「清水……くん」


 なすがままなっていたものの。


 いきなりの展開に、美月姫は心が伴っていなかった。


 それでも久しぶりのぬくもりは、ただ心地よく満たされて。


 美月姫はそのまま優雅に寄り添っていた。
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