四百年の誓い
 ……この夜のニュース番組は、各局冒頭で丸山幹事長の事件およびその容態。


 繰り返し放送される、事件の瞬間の映像。


 つらい映像ではあるけれど、その中に優雅の情報を求め続けた。


 その後の報道では、幹事長を刺した犯人が取り押さえられる場面ばかりだった。


 そして幹事長が運び込まれた病院前で最新情報を伝える、レポーターの映像。


 幹事長の権勢に押されて、影の薄かった総理大臣からのコメント。


 容態を気遣いつつ、犯人に対しては厳しい捜査を行ない、きっちりと原因究明をするようにと。


 続いて犯人に関する報道。


 自称・右翼とのことだけど、所属していた大手の団体はだいぶ前に破門となり、現在立ち上げた団体は事実上休眠状態とのこと。


 「やはり、何者かに雇われたのでしょうか」


 「たぶんそうだと思う」


 「……」


 黒幕にまで捜査の手が及ぶかどうかは、疑問。


 窓の外には、静かに降り続ける雪。


 暗い夜がゆっくりと更けていった。


 美月姫は圭介に優しく髪を撫でられながら、穏かな眠りに落ちていった。
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