Office Love

section 4

休日明けのオフィスは緩くて怠い雰囲気に包まれてる。
前日の余韻を引き摺りながら来る人、しっかりリフレッシュして来る人。


「おはようさん。」


ここに一人、昨日の余韻をしっかり引き摺って出社して来る人がいる。


「おはよ、彩葉ちゃん。今日も可愛えぇね。」
「って、市埼さん、称号返上したんじゃないんですか？」


ビシッとタイトなスーツに身を包み、昨日の面影なんかさっぱりない彼女は僕の借り出しアシスタント。


「あぁ、そやったね。ごめん、ごめん。」


って、謝ってはいるものの癖って治らんね。トホホやわ。


「おはようさん、なぁ、ギン、もう彩葉返してくれへんか？」


茶色の髪を靡かせながら、彩葉ちゃんの頭ポンポンして、彩葉ちゃんと見つめ合ってんは一課の平川真子。


「なぁ、真子、今日の美咲ちゃんはどない？」
「いつも一緒や。変わりあらへん。」
「ひどいなぁ、真子。僕の傍でおらへんから聞いてんのに。」
「お前が彩葉取るからやろ。」
お前のせいじゃ。
って、捨て台詞吐いて、真子は彩葉ちゃんの肩に手置いて自分の席戻ったわ。


「まだ、私が必要ですか？」
「そやね、まだもうちょっと。君、よう仕事出来るさかい。」


真子の彼女に手出そう思うて、借り出したんやない。
この子、ほんま仕事よう出来るから、知恵借りてるだけ。


「貴井に後を任せたいんですが・・・」


徐に話し出す内容は、早よ真子の元に帰りたい言うことやね。
彩葉ちゃん、真子に返しても、美咲ちゃんが僕んとこ来るわけやないから、なんかおもしろないけど、まぁ、仕方ないか。
彩葉ちゃんの口から出た胡蝶ちゃんも、よう仕事出来る子やしね。


「んー、ほな、今日まででええよ。明日から戻り。」
「はい、ありがとうございます。」


ほら、顔が一気に明かるうなったわ。
女の子の笑う顔はええね。
そうや、胡蝶ちゃんて言うたら、こないだ修兵とええ雰囲気になってたな。
あれからどないなってんねやろ？